ユカリの雑記帳

ジャンプの感想をメインに書いてます

鬼滅の刃137話・鬼舞辻無惨は本当に「人」というものを理解していないんだな(週刊少年ジャンプ感想/2019年1号④)

本日の感想作品

  • 鬼滅の刃
  • 呪術廻戦
  • ドラコニル(読み切り)
  • 思春期ルネサンス! ダビデ君
  • 火ノ丸相撲

 

鬼滅の刃

 

あ、なるほど。なんで臆病者が直接産屋敷まで乗り込んできたのか謎だったけど、あまりにも憎い相手だったから直接殺しに来たわけか。これは納得。

 

 

個人的に良いなと思ったのが、無惨に「産屋敷の子供を殺す」という発想が出てこなかったこと

 

その発想が出てこないことが、彼が「人の繋がり」を理解していない何よりの証明になっているんだな。

 

もし少しでも理解しているなら、憎い相手を苦しめるためにその子供を殺してやろうと思うだろう。だけど彼はその行為が人の苦しみにつながると理解していない。「大切な人を奪う」ということがどういうことかをまるで理解していない

 

自分の永遠にしか興味がない彼らしさだった。無惨は自分の作った鬼が殺されても何も思わないだろうし、彼にとってはそういうものなんだろう。

 

多分産屋敷を殺したら鬼殺隊の士気が上がるという話も、本気で彼には何を言ってるのか理解できなかったんだろうなあ。

 

 

あともう一つ思ったのが、無惨は「この世の理不尽」のメタファーなのかもしれないということ。

 

呪術廻戦でも言っていたけど、世の中「被害者が苦しみ、加害者はのうのうと生きている」ことは多い。

 

無惨もそうだ。産屋敷一族はその呪いで苦しめられているのに、何千という人を殺して苦しめていた彼になんの罰も下っていない。そういう意味では、彼は人間のクソな部分の権化と言えるかもしれない。人じゃないけど。

 

でもそういった理不尽に対して、「絶対に屈さない、必ず報いを与える」と闘う人たちもいるというのが、人間賛歌をテーマにしているこの作品らしくてよかった

 

 

呪術廻戦

 

0巻のおまけページ見た後だと、ついにパンダ回来てよかったなと思えてくる。0巻だと突然変異呪骸って単語でしか触れられてなかったもんな……。

 

 

しかし天与呪縛なかなかにえげつない。彼らが振るっている力が「呪い」であることを再認識させられる

 

メカ丸の境遇は確かにひどいし、これは確かに性格ねじれても仕方ないというか。そんな境遇に置かれたらそりゃあ歪みますわという印象。

 

ふと思ったけど、天与呪縛は“縛り”による強化とはまた別に、天与呪縛の持ち主がその境遇を呪う負の感情によって呪力が伸びるのかな、とか思った。そう考えるとこんなの与えてくる天ってやつは本当にロクでもないな……。

 

 

でもその反面、突然変異呪骸とかいう性格ねじれそうな境遇に投げ込まれながらも善人に育ったパンダってすごいな……。

 

そしてラストのゴリラモードに関しては、うん、本当に何でもありだな! パンダはパンダじゃない! ゴリラだ!

 

 

ドラコニル

 

フルドライブは昨今の打ち切り漫画の中でもかなり好きな作品だったけど、この読み切りはイマイチ。

 

何をする漫画なのかが最初読んでもわからないから引き込まれないし、その状況でも話を引っ張っていく「何か」がないのは読み切り漫画としてけっこう厳しい

 

あと読み切り一本でまとめるには設定がちょっと多い。その設定説明に時間をとられてしまっている印象。

 

 

ただ、それはそれとしてやっぱりヒロインはかわいい。小野先生の描くヒロインってなんか独特のかわいさがあるよなあ。そこは良かったと思うし、それ故に主人公の戦う理由が分かりやすいのも良かった。

 

 

思春期ルネサンス! ダビデ君

 

ギャグ控えめの青春回。こういう話でもしっかりと面白いもの作れるのは黒木先生の強さを感じる。

 

 

モナさんの書いている小説を読んでしまったことをきっかけに、お互い趣味の話ができて仲良くなるっていう展開は見ていてほっこりする。モナさん生きるの大変そうだし彼女には幸せでいてほしい。

 

この作品、登場するキャラクターが魅力的で好感度が高いのがよいよなあ。だからこういうギャグを抜いた話でもしっかりと成立している。これから長期的に連載していくことを考えると、そこはこの作品の大きな強みだと思う。

 

 

火ノ丸相撲

 

超絶高度なツンデレを見せてくれる久世くん好き

 

お互いがぶつかる瞬間に、高校時代の姿に変わるのすごくいい演出だった。あれだけ潮の変化を嫌い苦しんでいた久世が、それでも土俵の上にあがって戦いが始まった瞬間に高校時代の純粋な気持ちになるっていうのすごくいい。

 

しっかし、あれだけずっと不調だったのに潮と戦った瞬間戻ってくるってどんだけだよ……。

 

 

ぼくたちは勉強ができない90話・武元うるかは何故キスをしたのか?(週刊少年ジャンプ感想/2019年1号③)

ぼくたちは勉強ができない

 

今週のぼく勉感想、気合い入れて書きすぎて分量が普段の3倍。さすがに笑う。

 

 

文乃編が終了し、「いつもの受験態勢」に戻ったかと言えばそうではなく、文乃の成幸を見る目が間違いなく変わっている今週

 

すごい。うるかや緒方の前でも平然と「成幸君」と呼ぶようになった文乃。これはもう今後ずっと「成幸君」呼びになるんでしょう、いやあ感慨深い。

 

そのうえでこれですよ。

 

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空気が恋人のソレ

 

 

文乃の視線が完全に恋する少女のソレ。メスの顔をしてやがる。

 

でも、こうやって成幸への気持ちに素直になれているということは、やっぱり文乃は「自分の本当の気持ちを否定されること」を恐れていたから成幸への気持ちに気づかなかったんだろうな。

 

www.yukarii.net

 

 

父親から夢を認められ、成幸からも認められることで、彼女の中の恐れは薄れていった。その結果として、ようやく彼女は自分の気持ちに正直に生きられるようになった。そういうことなんだろう。

 

こういう日常シーンの中に文乃編の影響が描かれるのは大変すばらしい。私はこれを待っていた。

 

 

しかしながら、これまたすごいなと思うのが、文乃の「成幸君」呼びにうるかも緒方も反応が薄いこと。

 

考えてみれば当たり前なんだけど、こういうことに「気が付く」のは文乃のキャラクターで、ほか二人は気づかない。文乃とは違う理由で自分の気持ちに無自覚な緒方も、他人に敏感ではないうるかも、文乃の変化に気づくわけがなかった。

 

でもここでぼく勉がうまいなと思ったのが、「ヒロインが変わったことで起こる、別のヒロインへの影響」を友達を使って作り出したこと

 

緒方やうるかの「文乃の変化」に気が付かないというキャラクター性をしっかり守ったうえで、「気が付ける」友達によってうるかに影響を与える作劇はお見事としか言いようがない。

 

まあ緒方の友人はポンコツだから、文乃の変化を受けて動くのがうるかだというのも実に納得。

 

 

でもまさか、そのうるかが最後にキスをするとは全く思ってなかったよ!!

 

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衝撃のシーン



 

うるかは「逃げる」ヒロインなんだよな。まあこれは成幸との恋愛距離がぶっちぎりで近かったからバランスのために遠ざける必要があった、という大人の事情もあったかもしれないのだけれど。それでも、彼女は「逃げる」ヒロインだ。

 

基本的に彼女の言っていることは全部言い訳だ。うるかは「これ以上好きになりたくない」「今が幸せ」「やれることをやるまでは誰も好きにならない」と、そう言い訳を続けて踏み込まない。その根底には「気持ちを伝えて成幸に嫌われたくない」という恐れがある。だからこそ今の停滞を願っているし、変わらないでほしいと思っている。

 

だから、そんな彼女がキスという関係をぶっ壊すことをしたのは衝撃だった。マジかよ。そのうえで海外留学の件を告白した。マジかよ。

 

というわけで、私はなんで彼女がキスをしたのかがすごく気になった。なんでだ。いったいなんでうるかはキスをしたんだ?

 

 

最初に頭に浮かんだのは「成幸への気持ちが溢れた結果」だった。無意識で感じた文乃の変化、自分の海外留学、ギクシャクした今の関係、そして抑え込んでいた「好き」という気持ち。それらが全部ぐしゃぐしゃになって、思わずキスをしてしまったのではないかと思った。

 

でも、それでは彼女の表情に説明がつかなかった。

 

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キスをしたうるかの、すごく寂しそうな表情


 

彼女はキスをしたのに、すごく寂しそうにしている。悲しそうにしている。うるかは今まで、何度も成幸への気持ちが溢れ出してイチャイチャしてたけど、そのたびに彼女は幸せそうな顔をするか照れるかしていた。決してこんな寂しそうな顔はしていなかった。

 

だから多分、「成幸への気持ちがあふれたから」ではない。それどころか、多分プラスのキスではないんだろう。これは彼女のマイナスの心がさせたキスだとしか思えなかった。

 

 

じゃあなんで、彼女はキスをしたんだろう?

 

マイナスの気持ちだとしたら、いったいどんな気持ちが彼女をそうさせたんだろう?

 

私は、その前の会話がヒントになると思った。彼女はその前に、「やれること全部やりきるまでは、好きな人なんていない」と言った。そう成幸に告げて、そしてその「やれることのために好きな人を捨てる」という決断の象徴たる「海外留学」を成幸に告げた。

 

だとするならば。あれは、「成幸への気持ち」に決着をつけるためのキスではないのか。自分の中の気持ちを捨てるためのキス。別れるためのキスなのではないか。

 

と思ったのだけど、でも何かが違う気がした。決別のキスという要素は含むのかもしれないけれど、違う要素が存在しているんじゃないかと思った。

 

 

そのうえで、もう一度うるかのセリフを拾っていくと、彼女はこう言っている。「あたしってさー、水泳が恋人みたいなトコあるじゃん? やっぱりそれでいいってゆーか…そうじゃなきゃだめなんだ」、と。

 

このセリフはおかしい。こんなこと言ったら成幸以外の人間は気づくだろう。「『やっぱり』それでいいってゆーか…そうじゃなきゃだめなんだ」と言っているということは、そう思い込まなきゃいけない何かがあったということに。

 

そして、彼女が嘘をついているということに気づくだろう。もし聞いていたのが文乃なら、その裏にある理由にも気が付かもしれない。

 

彼女は「自分の気持ちに気が付く」ためのヒントを送っている。そうだとしたら、そのすぐ後に決別のキスをするのは何かが違う気がした。

 

考えてみれば、うるかは今まで成幸から距離を置きつつも、成幸と親密になるチャンスは活かそうとしていた。今回だって人工呼吸作戦を実行してたし、二人でオープンキャンパスに行ったりもした。

 

彼女は「成幸から距離を置こう」としつつ、その実「成幸と距離を縮めたい」と思ってる。

 

そこまで考えて、私はこう思った。

 

彼女は気づいてほしかったんじゃないだろうか、自分の気持ちに

 

彼女は自分から伝えることはできない。拒絶されるのが怖いから。だけど、それでも「気付いてほしい」。それがうるかのキャラクターなんじゃないだろうか。

 

だから、成幸が「他に好きな人がいる」という言葉をいつまでも信じていることに対して、「いないよそんな人」とあんな表情で言ったんじゃないだろうか

 

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複雑そうな顔をするうるか

 

好きな人がいない、と言いつつも「本当はいる」と気付けるヒントを成幸に出したんじゃないだろうか

 

そうだとするなら、あのキスはSOSのキスなんじゃないだろうか。「これも、ただの練習」なんて明かに嘘とわかる言葉を吐きながら、その言葉が嘘だと気づいてほしいと願う。

 

そして、他の自分の嘘も全部気付いて、自分の気持ちに気が付いてほしい。そんなSOSがあのキスには込められていたんじゃないだろうか。

 

だから、そのあとに海外留学の話もしたんじゃないかなと思った。海外留学や成幸に対して自分が思っている気持ちを、成幸に気が付いてほしい。そして、助けてほしい。

 

自分の恋心を隠し続け、隠し通したうるかが、しかしその行為に苦しみ、SOSを出した。だから彼女はあそこでキスをしたんじゃないか。

 

もちろん、そんなに考えるキャラクターではないから、無意識にそう選択して。

 

もし、これでも成幸に気付いてもらえなかったら……うるか、ヤバそうだな……。生きて、頑張って生きて!

 

 

……というわけで、今週のぼく勉はすごかった。

 

というか、うるかにせよ文乃にせよ、本当に人間味あふれるヒロインになったなと思う。初登場時には全然そんな雰囲気なかったのに。

 

筒井先生のキャラクター描写の巧みさは本当にすごいし、なんなら日に日に強くなっているように思う。まさかこんなことになるとは思わなかったよ。

 

 

今週のぼく勉のことを考えるのはすごく楽しかったし、果たしてこの予想があっているのかいないのか来週までワクワクできるのもうれしい。

 

これだけ語って的外れだったらさすがに超絶恥ずかしいな…

 

 

※本記事内で使用している画像は、『ぼくたちは勉強ができない/筒井大志/週刊少年ジャンプ』より引用しております。

チェーンソーマン1話・とんでもないバケモノ新連載が来てしまった。ポチタ!(週刊少年ジャンプ感想/2019年1号②)

1号から本当にトンデモない新連載が来てしまった。チェーンソーマン1話、新連載の1話としてレベルが高すぎる。

 

チェーンソーマン

 

なんだこの1話の完成度。意味わからん。本当にすごい。

 

ポチタが「私はデンジの夢の話を聞くのが好きだった」と言いながらデンジに心臓を与えるシーン、何度読んでも心にぶっ刺さる

 

すごい。何がすごいって、たった1話でこの一人と一匹にここまで感情移入させているのがすごい。ポチタがいなくなることに対して読者の感情をここまで動かしているのがすごい。

 

こういう「誰かが死ぬシーン」を1話からやって読者の心を動かすのは本当に難しい。誰がやってもできることじゃないし、実力がない人がやってもなんら心は動かない。にもかかわらず、チェーンソーマンではこれよ。天才かよ。

 

なんなら何話も積み重ねた人たちですら、このデンジとポチタのお別れほど心を動かせるかというと謎。ヤバイ新連載が来てしまった。

 

 

まず主人公の境遇が考えられているよなと思った。

 

父親の借金のカタで3804万の借金を背負っているという救われない設定。しかも臓器まで売っている。それでも自棄にならず、ポチタと一緒に夢を語りながら生きている。

 

こんな健気に生きている人間を嫌いになれるわけがないし、どうしたって応援したくなってしまう。

 

それに加えて主人公の目的は「普通の暮らしがしたい」。これはあまりにもデンジらしい目的だ。彼の「心の底からの目的」だとわかるものだ

 

この境遇と目的で、読者の中に主人公を応援したい気持ちが芽生えていく。そして同時に彼に感情移入していくことになる。

 

 

そのうえで、ポチタとデンジの絆の書き方。セリフでも絵でも1話に積み込めるだけ積み込んでる。

 

ポチタの表情からも、デンジとの絆が描かれている。

 

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デンジと出会ったときにはこんな表情をしていたポチタ

 

こんな表情をしていたポチタが 

 

 

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こんなやわらかい表情をするようになる

 

それに加えて、他にも色々ある。例えば、デンジが夢を語るシーン。「食パンにジャム塗って、ポチタと食って」と、当然のように夢の中にポチタの姿がある

 

そして何より、二人の眠り方がグッとくる。

 

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長年連れ添った二人の眠り方

 

 

突然悪魔に襲われて何もかもが分からない状況になったとしても、デンジは絶対ポチタを離さなかった。それどころかポチタを守るようにしっかり抱えてる。最後に殺されるまで彼はずっとそうしていた。

 

さらにポチタとの回想シーン。ただでさえ少ない食料をきちんとポチタに分け与えてる。そのうえで、「ポチタだけが心残りだ」と語る。

 

デンジがどれだけポチタのことを大切に思ってるかが、本当にありとあらゆる場面で描写され続けている。そして、ポチタにとってデンジがどれだけ大切な存在かも、ポチタの表情で描写されている。

 

これだけの積み重ねを一話でやったからこそ、あのお別れシーンがあそこまで輝いたんだろう。

 

本当に一話としての出来が神がかっていた。読み切りとして載っていたとしたら間違いなく最高クラスの出来。

 

前作のファイアパンチをジャンプ+でちょろっと読んでみたけど、二話以降も面白いしチェーンソーマンも面白くなりそう。

 

それにしてもポチタ……いなくなってしまって悲しいよ……

 

 

※本記事内で使用している画像は、『チェーンソーマン/藤本タツキ/週刊少年ジャンプ』より引用しております。

アクタージュ44話・アキラ君は私たち凡人のヒーローなんだな(週刊少年ジャンプ感想/2019年1号)

アクタージュ

 

アキラ君がついに「こうすべき」から抜け出して自分の言葉を語り、それによってカムパネルラたちが輝き始める。

 

アキラ君の成長が、どうしてここまで心に刺さるんだろうかと疑問だった。

 

その疑問に答えを出すヒントを、西京BOYさんという方がブログに書いていたので、彼の言葉を引用したい。

 

しかしこの漫画、
とことんまで哲学的でとても少年誌に載ってる漫画とは思えないくらいの読み応えがありますね・・・笑

 

blog.goo.ne.jp

 

た、確かに。

 

今まで私はアクタージュの演出面にしか目を向けてこなかったけど、確かにこの作品は哲学的だ。演劇の台本が宮沢賢治だし。そう思って改めて今週のジャンプを読んでみると、さっきの疑問に対する答えが私の中で出た。

 

 

アキラ君は我々「大多数の読者」そのものだったんだ。

 

アキラ君は「自分に演技の才能がない」ことを自覚している。それだけじゃなく、天才たちがいる場所に立てないことを後悔することすらできていない

 

彼はすごく凡人なんだよな。それ故に私たち大多数の読者なんだよな。

 

我々は「何か」をやっていたとして、その時にその頂点にいる人たちに対して「私がもっと努力していれば、あそこに立てたかもしれないのに」なんて思ったりはしない。後悔することすらできない。まあ、あの人たちは自分とは違う人間だし、で終わらせて何も感じたりしないだろう。

 

それに、先週言っていた「何々すべき」という話についてもそうだろう。我々は人生において常に「こうすべき」に縛られ続けている

 

「良い大学に進学すべき」「良い企業に就職すべき」「学校に行くべき」「他人とはうまくやるべき」……こういった大きな「何々すべき」だけではなく、例えば「テストにはこう書くべき」「恋愛はこうするべき」といった小さな「何々すべき」にとらわれ続けている。

 

そして、アキラ君が言っていたように、そういった「何々すべき」という「正しい答え」を知るのが、努力なんだと思っている

 

 

アキラ君が今週、即興劇に対して「怖い」という印象を持っていたのも、そういうことなんだろう。

 

我々だって同じだ。こういった「何々すべき」があるから安心していられる。もしこの「何々すべき」がなくなってしまったら、それはもうすべてを自分で考えて見つけなければいけない。そんなのを「怖い」と思うのは当然だ。

 

 

人の視線を慮る部分だってそうだ。アキラ君にとっては「観客」だったそれは、私たち読者にとっては別のものだ。それぞれの人々によって違うだろうけど、それは両親だったり友人だったり恋人だったり先生だったり子供だったり妻だったり上司だったりする。我々はそういった人たちの目を意識して、彼らに非難されないように「こうすべき」ことをやり続けている

 

私は、マツキタクヤ先生と宇佐崎しろ先生は、こう問いかけてきているように思える。「君たちにとってアキラはただの物語の登場人物じゃない。彼は君たち自身だ。『こうすべき』に囚われて、周りの目を気にして、自分の本当の美しさに気づいていないのは、君たちではないのか? アキラは踏み出したぞ。君たちはどうする?」と。

 

 

アキラ君が「こうすべき」も「周りの目」をも投げ出して、自分の気持ちに目を向け、そして輝いた姿に、多分私は救いを感じたんだと思う。そういったものを投げ出した先にだって、「何かいいことがある」というメッセージを感じたから

 

だからといって、じゃあすぐにアキラ君のようになれるかというと話は別なんだけれど。それでも、そこを目指してみようと思うことはできるかもしれない。

 

 

アクタージュはすごく哲学的な作品だった。そういう読み方をすれば、もしかしたら今までの話にも新しい発見ができるのかもしれない。本当に今週はすべてのピースがつながる美しい回だった。

 

 

●SSSS.GRIDMAN9話感想●新条アカネは誰が何と言おうととにかくかわいい

SSSS.GRIDMAN最新話があまりにも面白すぎた。

 

9話は新条アカネというキャラクターの今までの描写を回収して掘り下げる本当に素晴らしい1話だった

 

今週でアカネの魅力がグッと深まったしわかりやすくなったし、とにかくアカネがかわいい。

 

「1クール終わったらアニメの感想書こー」とか思ってたけど我慢できずに書いてしまうくらいとにかく今週は最高だった。

 

 

今回アカネが響たちに見せていた夢って、「響たちの理想の世界」じゃなくて「アカネが響たちとこうなりたかった世界」なんだよなあ

 

そして、夢の中にいるアカネは、「こうなりたかったアカネ」なんじゃないかと思った。

 

そう考えていくと、もうアカネがすごく追い詰められていることがよくわかる。

 

この世界は「一人ぼっちの人間」である新条アカネが作り出した世界だと言われてた。つまりアカネはこことは違う世界で「一人ぼっち」になって、「今の世界」を作り出したんだろう。

 

「今の世界」は怪獣の力を使って、「誰もが自分のことを好きな世界」にした。ちゃんと自分を好きになってくれる男の子がいて、自分のマニアックな趣味に付き合える人がいて、仲のいい同性の友達もいて……と自分にとって都合のいい世界を作ろうとした

 

だけど、自分が作った彼らもまた人格を持っていたから、設定を守りつつもそれぞれがそれぞれ別の個として独立してしまった。そのせいで、アカネは「1学期はうまくやれてたんだけどねー」とか言いながらクラスの人たちと距離を置くようになってしまう。

 

結局、彼女は夢の中ですら理想の世界にできなかった。それどころか、「自分が本当に欲しかったもの=本当の友情」を、グリッドマン同盟の三人が作り上げている。これほど追い込まれることがあろうか。

 

その結果として、彼女は今回「夢を見せる」という強硬手段に出ることになってしまう。しかもそこでは、自分自身すら「理想の自分」になっているという夢。響を裕太くんと呼び捨てにできて付き合えて、内海と怪獣の話を楽しめて一緒に中野に買い物に行けて、立花を家に呼ぶことができて、そんな「今の世界」ではできなかったことをできる理想の自分を作り出した

 

彼女は「自分が作り上げた世界」ですら、「夢」に頼らなければいけなくなっちゃったんだなあと思うと、もうアカネがかわいくてかわいくて仕方ない。すごく練り込まれていて魅力的なキャラクターすぎる。

 

そして、その最後の手段の夢ですら、響に「俺はそっちには行けない」と言われ、内海と立花には「自分の友達はほかにいる」と言われてしまったら、そりゃあもう「どうしたらいいの」ってなりますわ。

 

 

ラストどうなるんだろうな。アカネが前に進むことを決意したらこの世界って多分消えてしまうんでしょ? 前に進もうと決意させてくれた人たちがいなくなってしまうんでしょ?

 

それでもアカネが救われる、そんな未来があってほしいなあ……

 

 

HUNTER×HUNTER390話、チョウライ王子はどうやってカチョウの死を知ったんだろう?(週刊少年ジャンプ感想/2018年52号⑤)

HUNTER×HUNTER

 

あー、10週たってしまったか。次回10週分のネームはもうできているということなので、もしかしたらまた半年くらいしたら続き読めるのかな?

 

今回の連載再開異様に早かったし、このまま次回も早いといいなあ。

 

 

今週のハンターを読んですごく気になったのが、チョウライ王子が言った「もう3人も兄弟が死んだよ」というセリフ

 

死んだ3人の兄弟って、モモゼ・サレサレ・カチョウのことだとは思うんだけど、一体彼はどうやってカチョウの死を知ったんだ???

 

カチョウは念能力者以外が見ても生きているようにしか見えないし、念能力者ですらもカチョウが念獣であるとわかるかどうか謎だというのに。

 

そのうえで現在は司法局に拘束されているはずだし、知りようがなくないか?

 

実際、確か他の人たちの認識は「死んだという噂がある」程度だったはず。

 

組長にそのセリフを吐いたということは組からの情報でもなく、流石に国王からの情報でもないとすると、司法局に独自のパイプを持っているとかなんだろうか?

 

うーん、あまりに謎。そしてこの謎が解決するときって来るのだろうか?

 

 

しかし、ハルケンブルクが覚悟を決め、チョウライも念に関する能力を別口で手に入れようとしているとなると、次の10週で何人か王子死にそうだ。

 

第二王子私設兵の呪いもあるし、クラピカ陣営かなり追い込まれそう。

 

 

そして一方マフィア陣営。私はどうにもこのマフィア陣営の話だけ興味を持てずに流してたんだけど、こっちも本格的に抗争になってきたな。

 

3人能力者が出てきたけど、フルボッコさんの能力はすごく便利そう。でもあの能力が放出系なのがよく分からん。いや、系統で考えるなら放出系か特質系でしかないんだけど。

 

体から離してオーラを飛ばすのは全部放出系で、そこにどんな追加効果をつけるかは割と自由なんだろうか。ハコワレも放出系だったし。

 

そして、カスタードの血を操作する能力はまあいいとして、ヒンリギのあの能力はすごいよなあ。

 

初見ではクソ能力じゃねえかと思ってしまったけど、ちょっと考えるとかなり使い勝手のいい能力だった。

 

まあ具現化・操作・放出の複合能力ってかなりきつそうだけれど、もし操作できる「機械」の幅が広いんだったらめちゃくちゃ強いよなあ。

 

電子キーとかも操れるし、機密情報とかも抜けそうだし。戦闘でも重火器を虫とかに変えておけば不意打ちできそうだし、相手の武器に触れられればかなり有利になるし。

 

なんだかんだで現代に似た世界観で機械を自在に操れるってのはそれだけで強い

 

まあなんで生物に変えるというワンクッションを挟むのかは謎だが。具現化系なら武器や機械を操れるタクトとか具現化したほうがスマートだったのでは、とはちょっと思った。

 

 

呪術廻戦37話・釘崎は煽り性能高すぎるのでフリースタイルバトルやってほしい(週刊少年ジャンプ感想/2018年52号④)

本日の感想作品

  • 呪術廻戦
  • 鬼滅の刃

 

呪術廻戦

 

「俺達は、全身全霊で世界に存在している」ってセリフがあまりにかっこよすぎて痺れた

 

それにしても東堂教えるの旨いな。個人的なイメージで「呪力を流すのはどうするか」を東堂は「感覚で何となく」できてしまう人種だと思っていたのだけど、虎杖にわかりやすく説明できるほど言語化していたとは

 

案外東堂は天才型ではなく努力家なのかもしれない。もちろん才能はあるんだろうけど、それに奢らず鍛錬を欠かさない、みたいな。

 

初登場時の東堂とかタダのマジ●チにしか見えなかったけど、まさかこんなに良い意味で面白いキャラクターになるとは。やっぱり東堂と虎杖の絡みは見ていて楽しい

 

この二人闘いながらドンドン仲良くなっていってるのが本当に良い。

 

 

その一方で煽りあっている釘崎陣営。

 

釘崎の煽りスキルがあまりに高すぎて笑ってしまう。ディスをしっかりと繋げているのがセンスあるなと思った。

 

まず真依をシンプルにディスり、そのディスに対する返答をペッパー君とディスりながら、そのペッパー君という言葉を使ってメカ丸をもディスっていく。短い時間できちんと京都高陣営を3人もディスっていくのレベル高すぎる。しかもディスの言葉がいちいちセンスにあふれてて秀逸なんだよな。まさに語彙力の高いディス

 

釘崎フリースタイルバトルの才能があるんじゃないかと思えてならない。もしやったら相手の言葉を受けて完璧なディスを返しそう。

 

 

でもこうやって、「主人公陣営の嫌いな相手」にも普通に友達がいてその人のことを好きな人がいるってのは世界が広がっていいなあ。

 

なんというか、「敵に仲間がいる」というのではなくて、「感情的に嫌いな相手に友達がいる」っていうのが良い。

 

一応呪術師陣営は仲間だけど、全員が仲良しなのではなくて相性の良し悪しがきちんとあるのがいいなって思った。東堂とかいろんな人から「なんだあいつ」と思われてそうだけど虎杖とは仲良くなりそうだし。

 

 

鬼滅の刃

 

善逸一体何があったんだ……? どうしてこんなにも凛々しい顔になってしまっているんだ……???

 

 

水柱二人の天然の煽り性能の高さには笑うしかない

 

炭治郎はよほどの相手じゃない限り長男力を発揮しながらコミュニケーションをとるからなあ。炭治郎のことを自分より下だと思っている人間にとってはマウントをとっているようにしか見えないんだろうな。

 

風柱さんとか完全にそのタイプだし、あの人煽り耐性低いのもあって炭治郎との相性が見事に最悪だ。

 

そりゃもうああやってキレるしかないんだろうなあ。

 

一方の富岡さんも、さすが柱全員に嫌われているといわれるだけはある性能だった。

 

すげえよな。富岡さん基本話さないし、話したら誤解されること言うし、最終的に話さずとも行動で煽るようになるし。おはぎを懐から取り出すとか煽りでしかないということに気が付かないあたり流石としか言いようがない。

 

これだけのことをやっていて「俺は嫌われていない」と言い張れるのだから流石は柱。メンタルも柱クラスということなんだろう。

 

でも、「俺はうまく話せなかったし……」と言いながら蹲る富岡さんは見ていてなかなか愉快だった。かわいい。

 

 

しかし、柔軟な水の呼吸を使える人間がそろいもそろってコミュニケーションが柔軟じゃないの面白いな。まあ富岡さんとは違って炭治郎は基本人と仲良くなれるけど。

 

 

そしてこんなギャグ展開からラストで無惨急襲。

 

お館様があまりに落ち着いているせいでそこまで緊張感ないけど、これ上弦の肆殺さない限り鬼殺隊詰んでるよなあ。

 

産屋敷が見つかったということは、移動させた刀鍛冶の里も見つかってしまうだろうし。控えめに言って詰んでる。

 

でもそういえば、なんだってこの臆病者産屋敷まで直接来ることができたんだろう? 

 

無惨の性格からいって普通に上弦の誰かをメッセンジャーから送り込むんじゃないかと思ったんだけど。彼の臆病さを打ち消す何かがあったんだろうか?