ユカリの雑記帳

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ぼくたちは勉強ができない114話、緒方理珠の「自分が嫌い」という言葉には色々なものが詰まってる(週刊少年ジャンプ感想/2019年28号)

ぼくたちは勉強ができない

 

センター試験一か月前だというのに勉強せずにうどん食べてる登場人物たちは流石というかなんというか。試験の前に勉強せずに別のことをやりたくなってしまうのは悲しい人間の性なんで仕方ないと言えば仕方ないんですが。

 

それにしても、今まで成幸のコスプレに対して過剰に反応するキャラクターと言えばうるかだったわけですが、今週はさらっと文乃がその枠に入ってきていて、いやもう君成幸への気持ち隠す気ないよね……、という気持ちに。

 

リズの胸をチラ見してしまって視線を逸らす成幸君を見たら、かつての文乃だったら「うぅ、巨乳め! ファッキンだよ!」くらいは思いつつも、うるかがどういう反応をするかに注意を向けていたでしょうに。いつの間にやらうるかと共に負のオーラを放つように。これが成長なのかどうかはわかりませんが、文乃の気持ちも確実に変化しているとわかる良い一話でしたね。

 

他のキャラから突っ込まれることはないですけど、最近は常に「成幸君」と名前で呼んでますし、どうにも文乃は「自分の気持ちを隠す」というよりは「成幸と距離が近づきすぎてしまったときに友情を思い出してブレーキがかかる」感じみたいですね。……いやまあ思い返すと大抵の場面でそのブレーキはぶっ壊れてるか存在を忘れ去られていたような気がしますが、それだけ成幸への気持ちが大きくなってきたということなんでしょう。

 

このままいくと勢いで成幸と付き合った後、「しまった、二人の気持ちが!」なんて言い出す文乃が見れる日が来るのかもしれないですね。

 

 

と、文乃の話はここまでにして、今回から始まったリズルートの話でもしましょう。

 

私はりずの性質的に「個別の話を作りづらいんじゃないか」と思ってたんですけど、こういう方向で個別ルートが来るんですね。

 

今週明かされたりずの気持ちですが、「自分が嫌い」と言い出したのはすごく納得しました。というのも、彼女の夢だけ「現在の自分の否定」なんですよね。

 

例えば、うるかは「水泳が好きだから更なる高みに行きたい」という夢を持っていますし、文乃は「かつて母と夢見た新しい星を探したい」という夢を持っています。小美浪先輩は「診療所を継ぎたい」ですね。この三人は憧れや好きなものに対してぶつかっていく、言うならば「今の自分にプラスする夢」となっています

 

この三人の夢と比べて、りずの夢は「(今の自分では分からない)人の気持ちが分かるようになりたい」というものです。彼女の持つ夢は、「できていないのが嫌だからこそできるようになりたい」という方向の夢なんですよね。いうならば「自分のマイナスをなくす夢」。やりたいことがあるというよりも、「できない自分を何とかしたい」というもっと切実な夢だと思います。私自身こういう夢をモチベーションに生きてきたので、りずの気持ちぼんやりとわかります。

 

だからこそ、彼女が「自分が嫌い」という方向で話を持ってきたのがすごくよくわかるし、この一言は、初期から一貫して描かれてきた「人の気持ちが分かるようになりたい」という願いともリンクしているなと思います。彼女は「人の気持ちがわからない自分が嫌い」なんでしょう。日本社会は「人の気持ちが分からない」人への当たりがきついですし、彼女自身そのことで嫌な思いをすることも多かったのでしょう。煽り文では「意外な一言」と書かれていましたけど、よくよく考えると意外でも何でもないんですよね。

 

そのうえで、彼女が「自分が嫌い」というのを言語化できるようになったことは、ひとつ大きな成長だと思うんですよ。

 

未だに彼女は周囲から自分への好意に対して無自覚ですが、それでも自分の気持ちだけでもわかるようになっただけで大きな変化でしょう。なにせかつてはキスに対して首をひねっていたくらいなんですから。

 

ついでに言うならば、この「自分が嫌い」という一言から始まるりずの個別ルートは、りずの内面へと深く踏み込む話になるというわけで。つまり、りずの中で今大きな存在となりつつある「成幸への恋心」にも触れられる話となっていくのではないか、と思っています。未だに彼女は成幸への気持ちを自覚してるんだかしてないんだかよくわからない状態ですし、そのあたりにも触れられるんじゃないでしょうか。

 

というわけで、いよいよもって始まったりず個別ルート。導入の仕方が意外だけど納得するような形だったので、今後の展開が非常に楽しみです。